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愛車とパートナーとのサスティナビリティサポート | "M"ethodology

2025/3/28更新 プロショップやディーラーでは解決できなかった、愛車の"トラブルシューティング" と"コンピュータ(ECU/DME)チューニング" の悩みを解消し、愛車と過ごす最高の気持ちよさを得るサポートを行っています。 時間に余裕を持ち、一つ一つ丁寧に対処していくことで、結果的に早く低コストで悩みを解決できると確信しています。 過去に、エラーコードをリセットしてもチェックランプが消えない問題に直面した時、気づけば費用が100万円近くも積み上がり、パートナーとの関係悪化に輪をかけてしまった経験はありませんか? コンピュータチューニングしてもらったものの、車に乗ってみて数日後、本当に効果が出ているのか?チューニング後にエラーコードが出たが、これはチューニングのせいではないのか?チューナーの言うこんなもんですよ?は本当なのか?なんか煮え切らない気持ちになった経験はありませんか? 僕は何度もあります。笑 これらによって、信頼していたはずのプロショップさんが信頼できなくなってしまい、心がモヤモヤザワザワしました。 ドライブ中、思考が持っていかれてしまい、せっかくのパートナーとのデートや愛車とのドライブに集中できないんです。 もうこんなことで、愛車やパートナーと楽しむかけがえの無い時間を無駄にするのはやめたいと、心底思いました。 いつも後で思ったのは、ちゃんと自分でも問題に向き合い、一つ一つ丁寧に、しかもトラブル解決すら楽しんでしまえれば、どんなにお得だったか.. どう考えてもかかった費用を1/3以下に抑えられた... 今変える必要のないパーツを変えてしまい、愛車の生涯コストが嵩んでしまった.. 急がば回れって、言葉がこんなにもピッタリな事象ってホントにあるんだなと、何度も思いました。笑 この費用を、パートナーとの旅行や子ども達とのアクティビティに使えたら、どんなに良かったか。 一緒に車で出掛けて、どんなに良い思い出が作れたか。 さらに、感謝されたか。 そして、家族が笑顔で満足している顔を愛車の運転席から眺められて、どれだけ自分が幸...

E46M3 DIYでCSLスタイルカーボンエアボックスに交換する場合に考慮が必要なこと4


これまでのコンテンツでは、通常のE46M3にCSLスタイルカーボンエアボックスを装着した後に発生する、低回転域のジャーキング防止(純正CSLには装着されている慣性吸気システムがない場合)のチューニングアプローチについて書いてきました。

そして最後の仕上げはアイドリング調整です。

コールドスタート時(エンジンが冷えているとき:特に冬)とエアコンを入れた時、アイドリングがハンチング(上下に激しく揺れる)ことがあります。

この1年、Tuner製とKarbonius製のエアボックスをそれぞれ装着した2台のM3で、それぞれチューニングを行なってきましたが、どちらもVEマップとアイドリングデューティーサイクルの調整で修正可能でした。

今回のコンテンツではそのアプローチをメモしておきたいと思います。


目次

アイドリング調整のアプローチ


IATセンサーのスケーリングが間違っていないか?

IATセンサーから得られる電圧を温度に変換するスケーリングマップがあります。

通常M3はMAFに統合されたタイプですが、CSLは独立タイプです。

以下は僕がやらかした話なのですが、

僕は、CSLコンバートキットのIATセンサーが、統合タイプの配線を使っていることから、通常M3のスケーリングを使っていました。調べてもどっちを使うべきかわからなかったので...

いくらVEマップを調整しても、冬やエアコンオンの時にアイドリングがハンチングしてしまうことから、スケーリングをCSLに変えてみたんですよね。

あからさまに安定するようになりました(笑)。

全域でのトルク感もアップ(したような気が?)しました。

以前も、スケールの違いによる動きの変化は試したんです。その時は変化を感じられなかったので標準M3のスケールでいいかと判断していたんです。夏だったからかな..

ハンチングが出るのは限定的だったし、自分の車だったから、どうでもいいやと放置していました。でもオーナーさんからチューニングを頼まれたので中途半端はいかんと原因追求しました。


VEマップの調整

VEマップ上の、充填効率10%分はアイドル調整に使われているようです。

VEマップは日常領域の燃料噴射量決定のためのメインのマップです。

一般的な車両などは、アイドルコントロール用の噴射マップがあるようですが、CSLには無さそうです。

なので、データログにおいてアイドリング領域の燃料噴射量がピタッと合えば治るはずです。

ハンチングは、ECUがO2センサーのフィードバックを受けて空燃比を合わせようとした時に、制御が追いついていない時に起こるようです。

ですのでアイドリング中(特にハンチングしている時)のデータログをとってチューニングしてみて、治ればそれで良いと思います。


スロットルコントローラーの交換

上記2つの対応をしても治らない場合は、スロットルコントローラーを変えてみるといいかもしれません。

これ、通常のM3でもアクセルをラフに踏むとガクガクする症状がありますよね。こいつの交換で治るようなので、アイドリングも治るのかもしれません。(試してない)

コミュニティーではVEマップの調整だけで治るとおっしゃている方もいるので、スロットルコントローラーを交換してみた結果を教えて欲しいです。


アイドリングデューティーサイクルの調整


上記の対応をしてもダメな場合、アイドリングのデューティーサイクルを上げてみても落ち着く事が分かりました。通常運行マップとコールドスタート(触媒温度上昇)マップがあるので、両方の値を調整してみます。

僕は、スロットルコントローラーを変えずにやっているせいか、ある程度収まりますが、完全には抑えきれていません。

でも十分かな。

ガクガクも気になるので、資金調達できたらスロットルコントローラーを変えようかな。


制御の説明

VE制御とかデューティーサイクルってなんぞや?という部分について説明しておきたいと思います。また、VE制御とAlphaNの違いについても書いておきます。(チューニングコミュニティの中でも間違った認識をしている方が多いので...)

なお、回答はChatGPTo1の出力をもとに修正を加えたものになります。


VE制御(スピード・デンシティ方式)とAlphaN制御

VE制御(スピード・デンシティ方式)とAlphaN制御は、いずれも「エアフローセンサー(MAF)」を使用せず、理論モデルを元にエンジンへの燃料噴射量を決定する方式ですが、入力パラメータと適用状況に差異があります。


VE制御(スピード・デンシティ):

特徴:吸気マニホールド圧力(MAP)と回転数、吸気温度、さらには事前に設定されたVEテーブル(充填効率テーブル)を用いて、エンジンがどれほど空気を「効率良く」取り込んでいるかを推定する方式。

メリット: 吸気系変更に対する柔軟性:MAF撤廃による配管自由度向上と、タービン変更など仕様変化時の再マッピング容易化。 過渡特性改善:理論モデルで瞬時の燃料補正ができ、スロットルの急変化にも適応しやすい。 センサー故障時のフェイルセーフ:MAF異常時のバックアップとしても機能。

適用例:米国車の一部、アフターマーケットECU、レース用ECU、またはMAFと併用する現代のハイブリッド戦略。


AlphaN制御:

特徴:主な入力はスロットル開度(Alpha)とエンジン回転数(N)のみ。MAPセンサーを使用せず、スロットル開度を「負荷の代替指標」として扱う。VEテーブルのような物理モデルに基づく空気量予測ではなく、スロットル角度と回転数に応じて燃料噴射量を補正する簡易モデル。

メリット: 極端な吸気系変更(例えば独立スロットルボディー(ITB)を持つ高回転型レースエンジンなど)でも安定した真空信号(MAP)が得られない場合に制御可能。 導入が比較的簡易で、最小限のセンサーで動作可能。

デメリット: スロットル開度と実際の空気量が必ずしも一致しないため、負荷変化や気温・気圧差異による補正が難しく、精度に劣る。 日常使用や多様な条件変化には不向きで、主にレース用チューニングなど特定条件下で最大性能を狙う場面で用いられることが多い。

まとめ: VE方式はMAP、回転数、温度といった複数パラメータを用いるため、理論的な空気流量をモデル化しやすく、幅広い状況で安定した燃調が可能です。 AlphaN方式はスロットル角度と回転数のみを用いるシンプルな手法で、MAP取得が困難な環境や特殊なエンジン仕様には対応しやすいが、汎用性や精度はVE方式に劣ります。 VE制御はより精密で汎用性の高いシステム構築を可能とし、AlphaNは特定の環境下(主にレース用エンジン)でのシンプルな制御手段として存在するという点で差別化できます。


デューティーサイクルとは何か?

デューティーサイクルは、モーターやバルブなどを「オン・オフ」を高速で繰り返して出力を制御するための割合(比率)のことです。たとえば、100%が常に「オン」、0%が常に「オフ」とすると、50%は半分の時間だけオンになっていることを意味します。この割合を変えることで、出力(回転数や開度など)を細かく調整できます。


アイドル時の電スロデューティーサイクルとは?

車のエンジンがアイドリング状態では、エンジンを止まらず安定して回し続けるために、電子スロットル(電スロ)が微妙な開度調整を行います。スロットルはモーターで開閉されますが、そのモーターをどれくらいの割合(デューティーサイクル)で「オン」にするかで開度を調整します。

「アイドル時の電スロデューティーサイクルマップ」とは、アイドル状態を維持するために、さまざまな条件(エンジン温度、外気温、負荷状態など)に応じて「この状態なら、だいたいこれくらいのデューティーサイクルを使おう」という基準値を表にしてまとめたものです。

このマップがあることで、エンジンコンピューター(ECU)は以下のような状況でアイドル回転数を素早く安定させるために、スロットル開度を適切に調整できます。

  • 寒い朝の始動時
  • エアコンがオンになったとき
  • バッテリー電圧が低下したとき

これにより、車は常にスムーズなアイドル状態を保ちやすくなります。


“M”のチューニングアプローチ

僕のM3はMAPセンサーありのVE制御でチューニングしています。

ブリッピング時のサウンドにこだわっているので、現時点ではKarboniusよりTunerの方が好みです。(Evolveのサウンドはどうだろうな〜。)

マフラーは音量抑制の為にノーマルのままがよく、排気ガスの掃気力向上の為にサクラムクロスパイプ(等長後のクロスによる引く力の上昇)が良いと考えています。

この仕様でほぼ2年(少なくとも1年半はIATスケールを間違えていましたが)、気温変化(-10℃〜39℃)も、高低差(標高600m〜1100m)も激しい北杜市で乗り続けてみて、急勾配(概ね10%以上)かつ3500rpm以下でのトルク感意外で、不便はありませんでした。

走行距離は年間10,000kmほどです。


今回紹介したマップ名

参考として、今回のコンテンツで挙げたマップ名をまとめておきます。

なお、定義ファイル(XDF)はこれまでのコンテンツとは異なり、コミュニティーで新たに公開されたものを使用しています。

  • VE: Density Correction_VOLUMETRIC EFFICIENCY (RF) 
  • VE(コールドスタート): Density Correction_VOLUMETRIC EFFICIENCY (RF) - WARM-UP 
  • アイドリングデューティーサイクル: Idle Controller_DUTY CYCLES(KF_LLS_TV) 
  • アイドリングデューティーサイクル(コールドスタート): Idle Controller_DUTY CYCLES - CAT HEATING(KF_LLS_TV_KATH)


参考投稿


そういえば..

もう廃業されてしまったBWIさん経由でAlpha-NチューニングをしたM3はどうしたかな。

純正CSLのパラメータのまま、最大トルクのみ抑えてリニアに回転が上がるようにしたんだけど..

おそらくIATのスケールが間違えていて、冬のテストをしてないからどうなってるんだろうか..

もうちょっと低回転の最大トルク上げてもいいかなとも思ってます。

書き換えた後は結構ハードに試運転して、快適に走ったから夏は問題ないと思うのだけれど..

もし心当たりあるオーナーさんがこのコンテンツをご覧になられたら連絡ください。

VE制御にも切り替えられるので、色々相談に乗れたらいいなと思ってます。